妊娠初期のつわりには、ホルモンだけでなく
エネルギー不足やケトン体の変動が影響していることがあります。
食べられない・気持ち悪い・無性に脂っこいファストフードが食べたくなる…
そんな不調の背景にある”体の仕組み”をやさしく解説し、
妊娠中でも無理なくできる対策をまとめました。
寝ても覚めても気持ち悪くなる、つわり(悪阻)。
個人差はありますが、胎盤が完成する安定期まで続くことも多く、
妊娠初期を本当にしんどく感じる方もいらっしゃいます。
そしてこのつわりには、
ホルモン以外にも「エネルギー代謝(ケトン体)」が
大きく関わっていることがわかってきています。
目次:
- ケトン体ってなに?(すごく簡単に)
- 「ケトン体=悪者」という常識が変わりつつある
- 赤ちゃんはケトン体で生きている
- つわりのメカニズム ─ケトン体不足が絡む可能性
- つわりのときマック・ケンタを欲する理由
- ケトン体を増やすためのやさしい食事法
- 妊活〜産後まで続くやさしいサポート
- 本当に必要な栄養を、必要なだけ
- 妊娠中の体と心をやさしく休めたい方へ ─マタニティケアのご案内
1. ケトン体ってなに?(すごく簡単に)
私たちの体には大きく分けて2つのエネルギー回路があります。
糖質→ブドウ糖(すぐ使えて枯渇も早い)
脂質→ケトン体(体脂肪があれば安定して使える)
ブドウ糖は焚き火のような”小回りの効くエネルギー”。
一方、ケトン体は工場のように”大きく安定したエネルギー”です。
2. 「ケトン体=悪者」という常識が変わりつつある
従来は、妊娠中にケトン体が高くなると危険とされ、
重症のつわりの場合は入院や点滴が必要になることもありました。
ですが近年、
「ケトン体が胎児にとって重要なエネルギー源である」
ということがわかってきています。
宗田マタニティクリニックの宗田哲男先生は、
糖質制限+たんぱくリッチな食事で妊娠中〜産後の母子の健康を整える方法
を提唱されており、著書もとても参考になります。

宗田哲男 著
糖質を控えて、毎食のお肉やお魚、卵など
(ベジタリアンの場合はお豆腐やプロテインなど)
を増やすことの大切さが書いてあり、レシピも付いてます。
3. 赤ちゃんはケトン体で生きている
宗田先生は、胎盤・胎児・新生児のケトン体が高値であることを論文で示しています。
・妊娠6週でも胎児の環境には大量のケトン体が存在
・胎盤には基準値の30倍ものケトン体
・出産時の臍帯血、新生児、数ヶ月後の赤ちゃんにも高い数値
つまり、
ケトン体は命の誕生と成長に欠かせないもの
だという考えが強まっています。
4. つわりのメカニズム ─ケトン体不足が絡む可能性

本来ケトン体は、ブドウ糖が不足した”飢餓状態”で作られるエネルギーです。
ところが、妊娠初期は胎盤づくりのために大量のケトンが必要なのに、
現代の糖質中心の食生活ではうまく作れません。
そのため、体が
「食べられない状態=強制的な飢餓状態」を作り、ケトン体を作ろうととします。
これがつわりのメカニズムと考えられています。
つまり…
つわりは母体がケトン体を作ろうとする自然な働き。
いけざわレディースクリニックの池澤孝夫先生も、
「つわりは母体がケト適応できていないことが原因」と述べています。
妊娠4〜5週から”つわりが楽になる食事”(低インスリン状態)を取り入れると、
つわりがほとんど出なかったり軽く済む方も多いそうです。
ただし、嘔吐が強まってからでは、むずかしい場合もあります。
妊娠前からケトン体を作れる体づくりをしておくと安心ですね。
5. つわりのときマック・ケンタを欲する理由
脂っこいものを欲するのは「脂質で補いたいから」
妊娠初期につわりがあると、
ハンバーガー・フライドチキン・ポテト・天ぷら・中華など
”脂っこいもの”だけは無性に食べたくなるという方が多いです。
これは意志や嗜好の問題ではなく、
体がケトン体を作ろうとしているサインだと考えられます。
ケトン体は脂質から作られるエネルギー源。
ところが、糖質に偏りやすい現代の食生活だと
脂質からエネルギーを作る回路(ケトン回路)が
普段から使われていない状態になりがちです。
妊娠初期は、胎盤づくりのために大量のケトン体が必要になります。
しかしケトン体が不足すると、体は
「早く、効率よくエネルギーになる脂質を入れて!」
という強いメッセージを出します。
その結果、普段そんなに食べない人でも
マック・ケンタッキー・ラーメン・ポテト・天ぷら
など、脂質の多い食品だけを受け付けることがあるのです。
これは私の個人的な見解ですが、
つわりのとき
ご飯(お米)の炊ける匂いが耐えられなくなるのも、
”糖質をやめて糖代謝からケトン代謝に切り替えるため”
と考えると、つじつまが合う気がします。
罪悪感じゃない、生理的サインとしての欲求
これは、赤ちゃんのためにエネルギー回路を切り替えようとする、
正常な生理反応。
罪悪感を感じる必要はまったくありません。
とはいっても、できるなら良質な脂質を摂りたいですよね。
そんな方は、下記の食事法を参考にしてみてください。
6. ケトン体を増やすためのやさしい食事法
糖質を控えつつたんぱく質を多めに
おすすめの基本はこの2つ。
- 糖質を控える
- たんぱく質を多く摂る
参考:
おちゃずけ 著、宗田哲男 監修

良質な脂質(バター・MCTオイル・ココナッツオイル)
そして、良質な脂質も大切です。
宗田マタニティクリニックのブログでは、
「バターを食べるとつわりが軽くなる」
という話が紹介されています。
妊娠前〜妊娠初期につわりが始まる前に脂質をしっかり摂っておくと良いそうで、
中でもバターがおすすめとのこと。

味噌汁に無塩バターを入れた「バター味噌汁」なら、
手軽に、おいしく脂質をプラスできます。
MCTオイルやココナッツオイルもケトン体を増やす助けになります。

こちらもおすすめ
これならヴィーガン・ベジタリアンでもOKだし、
MCTオイルなら、ココナッツの香りが苦手な人でも安心です。
7. 妊活〜産後まで続くやさしいサポート
妊娠前からの栄養バランスの大切さ
宗田先生によると、不妊の原因も
・糖質過多
・低たんぱく
・鉄不足
が関わるとのこと。
妊娠前からケトン体を増やす食事を心がけておくことで、
・妊活
・つわり
・妊娠中
・産後
・赤ちゃんのエネルギー安定
まで、ずっと過ごしやすくなります。
心の不調(産後うつなど)も、
栄養不足が背景にあることが多く、予防にもつながります。
さらにケトン体には、
・糖尿病の予防
・動脈硬化の予防
・アルツハイマー改善
・ガン細胞の抑制
といった可能性も示されています。
”糖質に偏った現代型の栄養失調”を見直し、
体が本当に必要とする栄養をしっかり摂ることは、
すべての人に大切なことです。
8. 本当に必要な栄養を、必要なだけ
つわりの原因や仕組み、少しイメージできたでしょうか?
今回は妊婦さん向けに「つわりとケトン体」という1点に絞ってお伝えしました。
ケトン体の詳しい食材や献立までは触れませんでしたが、
気になる方はお気軽にご相談くださいね。
9. 妊娠中の体と心をやさしく休めたい方へ ─マタニティケアのご案内

妊娠初期はまだ胎盤が完成しておらずとてもデリケートな時期のため、
当サロンでは16週以降からのマタニティケアをご案内しています。
安定期に入り、体の痛みや強い疲れが出やすくなる頃には
「背中が軽くなった」
「むくみがスッキリした」
と好評のマタニティアロマトリートメント(マッサージ)を受けていただけます。
最後までお読みいただきありがとうございました☆










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