アロマセラピスト活動を始めて今年で10年目を迎えた。
プロフィールに書いたけれど、私がセラピストを目指したきっかけは、会社員としてバリバリ働いててストレス満載だった頃、スパでアロマの香りと手の力に癒されていたこと。
今では街に(競争になるほど)リラクサロンが増え、ロミロミ・アーユルヴェーダ・タイ古式・ヘッドスパなどなど…サービスの種類もかなり多くなったけれど、当時はまだサロン自体が少なくて、そういう施設で自分をケアするという習慣も今ほど浸透していなかった。
私が人生で初めて(いわゆるスパの)アロマオイルトリートメントを受けたのはたしか高校生のとき。
家族と行ったプーケットのホテルで、無料で付いてた30分のプチトリートメントだった。
金髪に青い目の、ちょっと気の強そうなセラピストのお姉さんに導かれ、わけもわからず(言葉もわからず)ショーツ一枚になって、しどろもどろでベッドにつっぷしたのをよく覚えている。
そもそも肩こりとかの感覚もまだわからない若造だったので、楽しみ♪とかいう気持ちもなく、なんかよくわからないけど試してみよう!という感じだった。
施術中は、とにかくくすぐったいのに耐えるのに精いっぱいだった。
むしろそれしか覚えてない。爆
次に受けたアロマトリートメントもプーケット、大学の卒業旅行だった。
これまた施術の良い思い出はあまりない。
お部屋の冷房が冷たすぎて、温度を上げてもらったけれどまだ寒い。
鳥肌がおさまらない中、とにかく耐えた。
「もしかしたら、もうしばらくしたら気持ちよくなるのかも…」
「いつか体が慣れるんじゃないか…」
結局、気持ちいいと感じることのないまま施術は終了した。
でも、ここのスパにはアロマオイルが売っていて私の心を大いにときめかせた。
ちゃんとしたアロマとの出会いはこれが初めて。
初心者にもなじみやすい柑橘系ブレンドで、ベルガモットを中心にいろいろブレンドしてある精油だった。
なんだろう、このはかない良い香りは…!
嗅いでは消えていくほのかな香り。
なのにしっかり心に残る。
もっと、ずっと嗅いでいたい…!!
帰国してからもこの小瓶を開けてはくんくん嗅いで、なんともいえない世界を楽しんでいた。
これ以来、私はアロマのとりこになった。
そしてアロマトリートメントはこれ以来しばらく受けることはなかったけれど、わりとすぐに重要な瞬間がやってきた。
当時の会社では年に2回の長期休暇があって、たしか1年目の夏休みだったと思う。
人生で初めて肩こり・腰痛というものがこれか!とわかった頃だった。
シンガポールから日本に進出してきたばかりのスパに行ってみることにした。
たしか2時間ぐらいのボディトリートメントにした気がする。
担当の女性はもちろん日本人。
最初に精油を選んで、ロッカールームから施術ルームに案内される。
今では超こだわって夢のような空間に仕上げたホテルスパなども多いし、写真やテレビで見る機会も増えたから目が慣れつつあるけれど、当時は感動の度合いもすごかった。
高い天井に間接照明でほんわかやさしい色調。
どこからともなく聞こえるヒーリングミュージック。
辺りにはいい香りが漂っている。
これからどんなことが起こるのだろうとワクワクドキドキしかない。
そうこうしているうちに施術が始まった。
最初はやはりくすぐったかった。
担当セラピストさんも今思うとちょっと困っていたかもしれない。
けれどしばらくしたら、ふっと楽になって、
その後ハッと気付いた。
いつの間に眠ってたんだ、私!
意識が戻り、フェイスホールにうつ伏せのまま、今までにない感覚にとまどいながらも興味津々。
寝てたけど、波のようなリズムで体を触れられてる感覚は意識の遠くで感じていた。
それに、目を閉じてるけど自分の内側を「見ている」感覚があった。
後から精神世界のことを知るにつれて、この体験がどういう状態だったのかわかってきたし、今ではもう当たり前のことになってしまったけれど…
当時の私にとっては
「な、なんだこれはーーー!!」という感じだった。
そして私がアロマセラピストを目指すようになるまで、そんなに時間はかからなかった。
当時私がいた会社は商品をお客さんに勧めなければならなくて(いわゆる営業)、でもその頃ちょうどリーマンショックがあったりして、買う気の全くないお客さんになかば強引に買ってもらうようなセールスをしなければならなかった。
商売というのは需給マッチが元になって成立するのに、意味がわからなかった。
セラピストの仕事はその辺に於いても当時の私にグッと来た。
疲れて癒しを求めているお客さんと、それを癒すセラピスト。
なんとパーフェクトな需給マッチ!!
そうこうしているうちにストレスが限界を超えて強制ストップがかかったため、会社を辞めて前に進んだというわけである。
プーケットのスパにも、当時の会社にも、貴重な体験をさせてもらって今では本当に心から感謝している。
ちなみに小さい頃の夢は「水族館のイルカかシャチのトレーナー」だった。
人生どうなるかわからないもんだなぁ…
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