三菱一号館美術館で開催中の、ビアズリー展へ

 

 

 

今回はまた展示レポートです〜

 

 

三菱一号館美術館で開催中の、ビアズリー展に行ってきました。

 

異端の奇才 ビアズリー展

2025年2月15日(土)〜2025年5月11日(日)

 

 

実はわたくし、三菱一号館美術館はこれが初めて!

 

 

こんな都会のど真ん中に、

こんな素敵な場所があったのですね…

 

ここはイギリス…?

 

 

この日は雨がシトシト降ってて、

それがまたよく雰囲気に合ってました。

 

上階から見下ろした図。

 

さて、お庭は後ほどじっくり見るとして、

 

早速、中へ…

 

 

館内も素敵です♡

 

 

 

ビアズリーについて(ざっくり紹介)

※不要な方は飛ばして読んでネ!

 

オーブリー・ビアズリー(Aubrey Beardsley)は、19世紀後半に活躍したイギリス・ブライトン生まれのイラストレーター。

肺結核のため25歳と半年しか生きられませんでしたが、短い一生で多くの独創性に富んだ作品を生み出しました。

 

本の挿絵や装丁、ポスターや壁紙などのデザインもしましたが、

最初の頃は家が貧しかったため昼間に事務員として働き、夜間に創作していました。

 

ペンと黒インクで描く独創的で美しい画風は「アーサー王の死」の挿絵一式を任されたことで開花し、画業への専念を決意。

ついに彼の時代がやってきます。

20歳のときにオスカー・ワイルドの「サロメ」の挿絵画家として抜擢され、

さらに、文芸雑誌「イエロー・ブック」の美術編集を任され、成功を謳歌しました。

 

しかし、オスカー・ワイルドが同性愛の罪で逮捕されるとビアズリーにもその疑いがかけられ職を失ってしまいます。

 

一度は表舞台から遠ざかったビアズリーでしたが、その後も仲間や支援者に助けられながら創作を続けました。

画風はさらに洗練されて円熟に向かうところでしたが、持病の肺結核のため1898年に他界。

25年と半年の短い人生の幕を閉じました。

 


 

 

さて、ここからは写真撮影OKだった作品たち。

 

 

このウニョウニョの飾り線、彼らしさが出てて

やはり才能ですなぁ。

 

 

これは孔雀の羽の模様。

 

 

 

 

そして、今回の展示のメインとも言える「サロメ」の挿絵シリーズ。

 

残酷でちょっと不気味なストーリーと、

モノクロで描かれるビアズリーの曲線美が見事にマッチ。

 

「孔雀のスカート」

 

 

「黒いケープ」

 

 

「踊り手の褒美」

 

 

「ヨカナーンよ、私はおまえの唇に接吻した」

 

 

ビアズリーのサインがまた素敵で…

優美に溢れてます。

 

これらの陰影を削ぎ落として平面に描かれた世界観はまさに漫画に通じるものがありますが、

実際ビアズリーの絵は多くの漫画家にも影響を与えました。

山岸涼子もその1人。

 

 

さらに、サロメ繋がりでギュスターヴ・モローの作品なんかも展示してあり(写真は撮れなかった)、

間近で見れてなんだか得した気分♪

 

 

 

また、ビアズリーは浮世絵に影響を受けた作品も描いていますが、

この頃は「アングロ・ジャパニーズ」という日本のデザインや文化に影響されたスタイルが流行していました。

 

こちらはミントン社製、磁器のお皿。

イギリスの食器でポピュラーな、銅版転写の技法で和柄を付けていたそうです。

 

写真でわかりにくいけど、壁紙の模様も家紋のような柄です。

 

 

こちらは公演のポスター。

これも構図など浮世絵を意識している作品です。

 

 

 

ところで、彼が影響を受けた画家には…

ラファエル前派の、ダンテ・ゲイブリエル・ロセッティ

子どもの絵本の挿絵で知られる、ケイト・グリーナウェイ

聖書や神話を題材にした絵画や版画で知られる、アンドレア・マンテーニャ

などなどが挙げられます。

 

私もこれらの画家たちが好きですが、

好きな画風から影響を受けつつ、オリジナリティ出して自分の作風を極めるって、本当にすごい…

 

耽美(たんび)主義のビアズリー、

アーツ&クラフト運動をしていたウィリアム・モリスとは相容れなかったそうですよ。

どちらも素敵ですが。

 

 

 

 

こちらは、季刊文芸誌として創刊された

「イエローブック(The Yellow Book)」

ビアズリーが美術編集を担当しました。

これは第2号の表紙。

 

その広告かな?

 

 

ビアズリーは画業一筋となった後も、夜間に絵を描いていた頃の環境で創作するのを続けており、

昼間でもカーテンを閉め切って、蝋燭の灯りで描いていたそうです。

 

その作業部屋を再現した展示もありました。

 

たしかに、自分も夜型なので暗く静かな環境が没頭に向いているのは共感できます。

しかし蝋燭の灯りって…

そういえばビアズリーが影響を受けたロセッティも

夜には蝋燭の灯りで描いていたと聞いたことがあるな…

 

 

 

写真に収められたのはわずかですが、展示を堪能。

 

ギャラリーショップでは、色々あって迷いましたが、

「孔雀のスカート」のファイル

 

「愛の鏡」のポストカード

 

2点のみにしました。

展示のたびにハガキが増えちゃって困る〜

けどこれ逃したら買えないし〜

いつもその葛藤です。笑

 

 

 

そして、楽しみしてたお庭へ…♪

 

 

外に出たら霧雨が降ってて…

もう、気分は完全にロンドン。

 

 

 

 

 

英国人よ、どこからともなく歩いてきておくれ〜

 

 

いい匂いがすると思ったら…

 

雨に濡れた満開の沈丁花。

 

 

さらに歩いていると…

 

きれいなピンクの寒緋桜に、ヒヨドリちゃんが!

 

夢中で蜜を吸っています。

普段は人の気配がするとすぐ逃げるのに…

アクロバティックな体勢であっちをツンツン、こっちをツンツン。

 

 

お庭まで楽しい展示でした〜(^.^)

(本当はcafe1984も行きたかったんだけど…、並んでる時間がなかった)

 

 

 

さてさて、レポートは以上となります。

 

元々たぐいまれな才能があったのはもちろんですが、

25年半(創作してたのはおそらく10年もないぐらい)の短い期間に

その芽が出て、育ち、開花して…

生活も一変して…

どんなときでもひたすら創作に向き合い続けたビアズリー。

 

長いだけがいい人生ではない!

短くても自分のお役目にとことん向き合って散るなら本望かもしれない!

そう思いました。

 

もっとも、彼はあと1年でも長く生きたいと思っていたそうですが…

 

 

3月16日が彼の命日。

私が訪れたのは偶然その近辺でした。

 

100年以上も前の彼の作品が、今こうして日本で私たちを楽しませていること、

きっと満足そうに見ているのではないでしょうか…(^.^)

 

 

異端の奇才 ビアズリー展

2025年2月15日(土)〜2025年5月11日(日)

 

 

 

今日も最後までお読みいただきありがとうございました⭐︎

 

 

ポストカード、お気に入りスペースの雰囲気にもマッチ

 

 

 

 

 

 

 

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