「聞こえてるのに、わからない」── そんな不思議なこと、ありませんか?
人の話し声は聞こえているのに、
なんと言っているのかわからない瞬間がある。
ザワザワした場所で、言葉が急に霞んでしまう。
そんな経験をしたことはありませんか?
私はずっと、「早口を聴き取る能力」が低いのかな、
と思っていました。
けれどある日、それに名前が
あることを知ったのです。

1. 最初の違和感と高校時代のこと
どのくらい前からこの症状を感じるようになったかわかりませんが、
はっきりと覚えているのは、高校生のときのこと。
バイト先の先輩が話していることが聞き取れなくて、
3回ぐらい「え?」「はい?」と聞き返してたら
微妙な空気になりました。
後日、他のスタッフから
「さよちゃんって見た目ギャルっぽいのになんか話かみ合わないんだよね」
と陰で言われてたことを知り…
まるで自分がおばあさんになったような、
哀しくて、悔しい気持ちを体験しました。
2. 聞こえてるのに、言葉として入ってこない不思議
聴力検査では異常なし。
でも、人の話が「音」としては聞こえても、
「言葉」として脳に入ってこない瞬間があります。
周囲がザワザワしてると特にそうで、
相手の口の動きや表情、前後の話の流れで
なんと言っているのか必死に予測しようとする自分がいました。
また、主語がなくてポンポン進む会話になると、
トピックについてはわかるけれど、話の流れについていけなくなる、
ということもあります。
登場人物が何人も出てくる話も苦手。
とくに、友人の親戚一族の話とかになると、全くついていけません。笑
1つのことに深く集中するのは得意ですが、
逆に広く浅くなると、状況を把握できなくなってしまいます。
3. 人によっても聞き取りやすさが違う
不思議なことに、聞き取りやすい声の人と、
そうじゃない人がいます。
けれど、「もっとゆっくり、ハキハキ話して」とは言いにくいもの。
なので、聞き返してもわからなかったときは
話の流れに合わせてなんとなく相槌を打って、
心の中で「今、なんて言ってたんだろう…」と思いながら
ヘラヘラしてその場をやり過ごします。
聞き取りにくい人と話すときは、あえて私が
大きな声でハッキリ喋って、相手にもそうしてもらえるよう
地味な努力をしたりもします。笑
もう1人加わって、3人以上での会話になったりすると、
私はちょっと引いて、もう1人にこっそり”通訳”をしてもらえるのでちょっと楽になります。
2人の会話を引きで観察して、
「あ、こんな話してたのか〜」と知ることも。
こんな感じなので、
「さよちゃんって天然だよね〜」と言われることも多いのですが、
本人はいたって大真面目。
内心、聞き返しすぎたり、変な相槌で相手を不快にさせてないだろうかと
気を揉んでいたりします。
相槌に対して不思議そうな顔をされると、
心では「ごめんね〜」と思っているのですが、
「実は私、APDでね…」と急に説明するのも変だしな〜…
とか、いろいろ考えてしまいます。
4. APDという名前を知って、ほっとした瞬間
そんな違和感に名前があると知ったのは、ほんの数年前のこと。
ぼんやり「なんなんだろう?」と思いつつも病院に行くほどではなかった
長年の謎が解けた瞬間でした。
「APD(聴覚情報処理障害)」──
耳ではなく、脳が「音を言葉として処理する力」にちょっとした特性があって、
聴力そのものに問題はないのに、
「これは言葉」「これは環境音」という整理が追いつかず、
混乱してしまうのだそうです。
これを知ったとき、ようやく
もう自分を責めなくていいんだ!と思えました。
近頃はいろんな症状がちゃんと名前を付けられ流ようになりましたよね。
そういうカテゴライズを嫌がる人もいると思いますが、
私は逆に、
「私自身のせいではなく、脳の障害なのだ」と正体がわかり、
スッキリして、安心しました。
ちなみに、おじいちゃんも少しこの気があったように思えるので、
遺伝の影響ももしかしたら受けるのかもしれません。
5. 矛盾する、聴覚の敏感さ
不思議なのは、APDがある人の中には、
聴覚そのものがすごく鋭い人もいるということ。
私もモスキート音(害虫やネズミ除けのために商業施設のビルなどで発している高音域のキーンという音)や、
マンションの隣の部屋の話し声、
エアコンの室外機の音まで気になってしまうことがよくあります。
また、テレビがついてる部屋に行くと、”電波の音”で
画面が見えてなくてもついてるのがわかります。
うるさいというより、”空気の粒がふるえる”のを感じるような感覚。
一見「聞こえすぎる」のに、言葉はうまく聞き取れない──
このギャップが、自分でも不思議で、時にしんどい。
これには、
「脳が音を細かく拾いすぎる」から、というのがあるようです。
情報を選別するよりも、ぜんぶキャッチしてしまう。
会話も環境音も、すべての音が同じ重要度で入ってきてしまうのです。
APDは、HSPやADHDの人と共通点があるとも言われていて、
たしかに私自身、そうした”敏感な部分”とつながるものを感じます。
HSPの体質と生きづらさについては、こちらにまとめています。
6. 感性のギフトととらえてみる
APDのおかげで哀しくなったこともありますが、
最近は、これも「私の感性の一部」と
受け入れられるようになってきました。
音の情報が多すぎて処理が追いつかないということは、
裏を返せば、それだけ多くの音をキャッチしているということ。
一見、神経質すぎるように思えるかもしれませんが、
これが絵を描いたり、文章を書くときの、”感性の源”になっている気がします。
たとえば森の中に長くいると、鳥や虫の声が少しづつ聞き分けられるようになるように──
わずかな音や気配、空気の流れから何かを感じ取る力。
それは、社会の中では少し生きづらいかもしれませんが、
表現の世界では、何よりの財産になるのだと思います。
人の言葉を正確に聞き取れない分、
その人の”想い”や”空気”を感じるアンテナが育ってきたのかもしれません。
そう考えると、ちょっと不器用なこの耳も、悪くないな、
と思えてくるのです。

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最後までお読みいただきありがとうございました⭐︎







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